
Thick-pasteスクリーン印刷では、浅いUV照射量は許されない。厚みが200~600 μmにもなる重い膜を塗布するため、基板近傍の光開始剤に十分な光子フラックスが届き、架橋反応を完了させる必要がある。エネルギーが浸透しなければ、底面は粘着性が残り、表面は過硬化する。結果として、ひび割れ、接着不良、洗浄時の詰まりが発生する。
深い硬化を実現する要因
深い硬化はキャッチコピーではなく、光学的かつスペクトル的な課題である。厚膜での光開始剤吸収に合致する水銀放射帯域、特に365 nm帯を中心に設計し、インクの要求に応じて313 nm帯も適切に補助するランプを使用する。基板でのピーク照度はインクの高速開始閾値を超える必要があり、全層を通して十分なエネルギー密度を供給しなければならない。
そのためには、安定したアーク制御、一定のクォーツエンベロープ、そしてバンドを形成しIR加熱が問題にならないように厳密な分光反射膜を備えたリフレクターが不可欠である。印刷面で数十mW/cm²の測定出力と、ウェブ全幅での照射量の再現性を厳格に管理する。
なぜこの手法が印刷機上で有効か
浸透性の向上は厚いステンシルの全層硬化信頼性に直結する。スペクトル出力を合わせ、リフレクター形状を適切に設計すれば、エネルギーはまず底面に届き、内部から硬化が進行する。これにより一回の通過で完全硬化が達成され、多色重ねが早くなり、スカミング(インク汚れ)が減少し、遅延処理を回避できる。滞留時間が短縮されるためエネルギー消費も低減し、出力が数千時間にわたり安定することでランプ寿命も延びる。
見落とせない実務上のポイント
厚膜インクと高出力密度はシステム全体に厳しい要求を課す。電源、リフレクター形状、冷却システムがランプの電気・熱特性に合致していることを必ず確認する。印刷機のランプハウジングやコネクターとの適合性を検証し、分光放射計による印刷幅全体の照度および照射量の測定を実施すること。
オゾン対策とランプの適正な廃棄処理も計画に含めるべきである。出力劣化は突然ではないが、確実に測定可能である。